冊子・製本専門の 冊子印刷社

冊子印刷 / 印刷製本の千葉県にある印刷会社 激安・格安!創業二十余年の実績と最新設備により低価格・高品質での印刷通販を実現

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運営会社情報

本づくりを極める「私たちの技術と実績」

私たちの技術と実績

弊社は1985年の創業以来、自社工場による一貫した生産体制のもと、35年以上にわたり本・冊子づくりに関する技術と知識を培ってまいりました。
2008年には本・冊子印刷専門のWebサイトを開設し、以来18年間にわたり、全国のお客様からご愛顧いただいております。リピート率は70%を超え、一般的なネット印刷通販の平均とされる約40%を大きく上回り、従来の対面型印刷会社に近い水準で多くのお客様から繰り返しご利用いただいております。
私、代表取締役秋本茂は、オフセット印刷オペレーターとして31年、オンデマンド印刷オペレーターとして17年、製本オペレーターとして31年、DTPオペレーターとして30年、印刷・製本の製造現場に携わってきました。
データ制作から印刷、製本まで、本づくりの各工程を実際に経験してきたことが私の強みです。
長年の経験に加え、現場での試行錯誤や研究を積み重ねることで培ってきた、弊社ならではの技術と知識があります。
皆様の大切な一冊を形にするため、その経験と技術を生かし、自信を持ってご依頼をお受けいたします。
ここからは、本づくりをご検討されている方に向けて、弊社の強みである「データ調整・DTP制作」「印刷工程」「製本工程」の3つを中心に、実際の製造現場で培ってきた専門技術をご紹介します。

データ調整・DTP制作

DTP制作事例1 DTP制作事例2 DTP制作事例3

もう当たり前となったWEBサイトで完結できる印刷の発注ですが、基本はお客様が作成したデータをそのまま印刷・製本してお届けするサービスが一般的です。
チラシやポスターなどの1枚ものと違い、本・冊子は数十ページ、数百ページになり、データ上の問題も複雑になります。
ページごとに書類サイズが違う、余白が揃っていない、統一されていない書式で透く数の執筆者で作成されたPDFなど様々な入稿データの問題点があります。
弊社では「データに不備があり印刷出来ません。」とだけ通知することはありません。
必ずどこが原因でどう改善したらよいかをご提案差し上げます。弊社で出来る事はやりますし、
ネイティブデータにもどらないと出来ない事はこのようにして下さいとやり方と方向性をご指示させて頂きお客様と一緒に作り上げていくことを心がけております。

1.ページサイズや余白が揃っていないPDF

PDFの書類サイズがページごとに異なる入稿データについては、余白を調整できるAcrobatのプラグインソフトなどを使用し、数百ページに及ぶ冊子であっても、1ページずつ確認しながら調整してきました。
同時にノンブル(ページ番号)の挿入が必要な場合や、ページによって余白調整のパターンが異なる場合には、InDesignを使用し、データの状態に合わせて調整します。
単純に全ページを一括処理するのではなく、原稿の状態を確認しながら、それぞれのページに適した処理を行うことが重要です。

2.Wordの縦書きデータ

Wordで作成された縦書き原稿では、半角数字やダブルコロン、ダブルクォーテーションなどが、意図した向きや位置で表示されない場合があります。
そのような箇所を一つひとつ確認し、縦書きとして自然に読めるよう調整することで、日本語組版として違和感の少ないデータへ仕上げます。

3.一太郎からPDFへ変換した際の画像トラブル

以前は、学校の先生方が研究紀要などを作成する際、一太郎を使用するケースが多くありました。一太郎は縦書きに強い一方、当時はPDFへの変換時に問題が発生することがありました。
特に、画像やイラストに文字の回り込みを設定している場合、PDFに変換すると、

  • ・画像やイラストが消える
  • ・画像の輪郭がギザギザになる
  • ・画像部分が黒い四角として表示される

といった不具合が発生することがありました。
そのような場合、弊社では別のPDF変換ソフトを使用して再変換したり、不具合のあるPDFをIllustratorで開いて画像を修正し、再度PDFとして保存したりするなど、データの状態に応じて対応してきました。
ただし、PDFをIllustratorで開くと、使用されているフォントが環境にない場合、別のフォントへ置き換わってレイアウトが崩れることがあります。
そこで必要に応じて、PDFの透明効果や分割・統合などの機能を利用し、文字をアウトライン化するなど、フォント環境の違いによる崩れを防ぐ処理を行ってから修正します。

4.Wordのバージョンによるレイアウト崩れ

Wordは、使用するバージョンやPDF変換環境によって、段組みなどのレイアウトが崩れることがあります。
過去には、Word 2002では正常にPDFへ変換できても、Word 2003では一部が正常に変換できない、といったケースもありました。
不具合の発生箇所はデータや使用環境によって異なるため、Adobe PDF側の設定を変更しても改善しない場合には、「いきなりPDF」や「PrimoPDF」など別のPDF変換ソフトを使用し、正常に変換できる方法を探していました。
大切なのは「どのソフトを使うか」ではなく、最終的に印刷・製本工程へ問題なく進められるPDFになっているかを確認することです。

5.PDF変換ソフトの特性を理解する

弊社では、これまでさまざまなPDF変換ソフトの特徴を研究してきました。
PDF変換ソフトには、カラープロファイルまで扱えるものから、比較的単純な処理でPDFを生成するものまで、さまざまな種類があります。
例えば、すべてモノクロで印刷するデータでは、複雑なカラー管理を必要としない変換方法のほうが適している場合があります。一方、カラー印刷ではカラープロファイルを適切に扱える環境が重要になります。
ただし、元データがRGBをベースとしている場合には、PDF変換時だけですべてを決めるのではなく、実際の印刷工程やRIP処理を含めて適切に色を管理する必要があります。
近年ではオンデマンド印刷機の性能も大きく向上し、RIPにAPPE(Adobe PDF Print Engine)を搭載した機種も普及しました。
そのため、「印刷データは必ずCMYKでなければならない」と一律に考えるのではなく、RGBデータの特性も生かしながら、出力機や用途に応じた適切な処理を行うことが重要になっています。

6.一般的なビジネスソフトから作られたPDFの修正

Wordや一太郎など、一般的なビジネスソフトから作成されたPDFに不具合がある場合には、入稿されたPDFをIllustratorで開いて修正することがあります。
使用されている書体が弊社の環境と一致する場合にはそのまま作業を進めますが、フォントが一致せず文字化けやレイアウト崩れが起こる可能性がある場合には、必要に応じてPDFの段階で文字をアウトライン化してからIllustratorで開きます。
そこで崩れている部分を手作業で修正し、壊れている画像があれば取り除きます。
さらに、元のWordや一太郎などに配置されている画像を抽出し、Photoshopで開いて必要に応じて解像度を調整したり、切り抜きが必要な画像ではパスを作成したりします。
修正した画像をIllustratorへ再配置し、最終的に印刷可能なPDFとして保存します。
ページ数が多い冊子については、Illustratorだけでは作業効率が悪くなるため、InDesignを使用して修正する場合もあります。
こうした作業には、単にIllustratorやInDesignを操作できるだけではなく、PDFの構造、フォント、画像、印刷工程までを理解したうえで「どこを直せば正常に印刷できるのか」を判断する知識が必要です。
PDFの状態を保ったまま文字をアウトライン化する方法については、今後ブログでも詳しくご紹介する予定です。

※データ調整、DTP製作はオフィスデータでの原稿入稿による「しっかり校正・変換」コース以上の対応となります。

印刷工程

印刷製本現場について

ここでは、「カラー印刷は4色のインキで表現する」「オフセット印刷は版からブランケットへ転写して紙に印刷する」といった、検索すればすぐに分かる一般的な説明はあえて詳しく取り上げません。
本・冊子を専門に製造している印刷会社では、日々どのようなことを考え、どこに注意しながら印刷・製本を行っているのか。
ここからは、実際の製造現場で行っている作業や調整、そして長年の経験から培ってきた判断についてご紹介します。

オフセット印刷機 オフセット印刷機のインクつぼ オフセット印刷工程

1.オフセット印刷

オフセット印刷機は、大きな用紙を高速で印刷するための設備です。
弊社では、四六判半裁判に対応した、B2より少し大きなサイズまで印刷できる機械を使用しています。
A4判であれば1枚の用紙に8ページ分、B5判やA5判であれば16ページ分をまとめて印刷できます。
そのため、オフセット印刷で本・冊子を制作する場合は、A4判なら8ページ単位、B5判・A5判なら16ページ単位を意識してページ構成を考えていただくと、用紙や印刷工程に無駄が出にくく、コスト面でも効率の良い設計になります。

紙によって印刷の仕上がりは大きく変わる

印刷の仕上がりは、同じデータ、同じインキを使用していても、紙の種類によって大きく変わります。
弊社のモノクロオフセット印刷では、植物油を使用した油性インキを使用しています。
例えば、写真をきれいに再現したい場合には、表面が平滑なコート紙が適しています。
写真と文字の両方があり、読み物として落ち着いた印象に仕上げたい場合にはマットコート紙、文字を中心とした冊子で特別な光沢を必要としない場合には上質紙が適しています。
つまり、「どの紙が一番良い」ということではなく、本の内容や使用目的に合わせて適切な用紙を選ぶことが重要です。
カラー印刷についても、用紙選びの基本的な考え方は同様です。
近年のオフセットカラー印刷機ではUV硬化方式を採用した設備も増え、紫外線によってインキを短時間で硬化させることができます。
そのため、インキが紙の内部へ過度に浸透することを抑えやすく、上質紙などでも比較的鮮明な発色を得られるようになっています。

大型機械だからこそ、安全確認が最優先

オフセット印刷機を動かすうえで、最も優先しなければならないのは安全です。
弊社の印刷機は全長約10メートルあります。
機械を始動するときには警告音が鳴り、周囲に人がいる場合には、さらに大きな声で「回します」と声を掛けます。
指差し確認や声掛けを含め、周囲に人がいないことを確認してから機械を動かすことが基本です。
大型機械は、一度動き始めると大きな力がかかります。
印刷技術以前に、安全管理を徹底することがオペレーターとして最も重要な仕事です。

メンテナンスもオペレーターの重要な仕事

オフセット印刷機は、印刷だけをしていればよい機械ではありません。
定期的な清掃や部品交換、調整が必要です。
印刷機内部には、用紙へインキを転写するためのゴム製の「ブランケット」や、用紙を押さえながら印刷する「圧胴」と呼ばれる大きな円筒状の部品があります。
これらは非常に重量があり、印刷機全体も大型設備です。
弊社の機械には反転機構が備わっているため、用紙を機械内部で反転させ、表裏を連続して印刷することができます。
そのため、裏面側の圧胴には裏移りを防ぐための特殊なシートを取り付けるなど、機械の構造に合わせたメンテナンスを行います。
また、インキは多数のローラーを通りながら均一に練られ、印刷版へ供給されます。
弊社の印刷機には長さ約750mmのローラーが12本あり、それぞれが重要な役割を持っています。
半年に一度程度、ローラーを取り外して清掃やメンテナンスを行います。
ゴムローラーには専用薬剤を使用し、リルサンローラーと呼ばれる硬質ローラーについても、薬剤を含ませたウエスで丁寧に汚れを取り除きます。
部品の一つひとつが大きく、重量もありますので、メンテナンスだけでもかなりの体力を必要とします。

オフセット印刷では「水」の調整が重要

オフセット印刷は、水と油が反発する性質を利用して印刷する方式です。
そのため、印刷中はインキの量だけではなく、湿し水の量も非常に重要になります。
室温や湿度が変わると、同じ設定であっても印刷状態は変化します。
水が多すぎると、同じインキ量でも色が薄く見えることがあります。
反対に水が少なすぎると、本来インキが付着してはいけない部分にもインキが付き、網点がつぶれたり、網点同士がつながったように見えたりします。
現場では「網がつぶれる」「網がからむ」といった表現を使うことがあります。
また、使用する水も単なる水ではありません。
表面張力を調整するための薬剤や、必要に応じてIPAと呼ばれるアルコールを加える場合があります。
季節や湿度、印刷する紙、インキの状態などを見ながら濃度を調整し、少しでも安定した印刷ができるよう日々調整しています。

紙を安定して通すだけでも経験が必要

オフセット印刷機は、ボタンを押せば簡単に印刷できる機械ではありません。
機械へ紙を安定して通せるようになるまでにも、相当な経験が必要です。
特に以前の油性印刷では、インキの乾燥に時間がかかるため、両面印刷が簡単ではありませんでした。
片面を印刷した紙をもう一度機械に積み直し、裏面を印刷する必要があります。
5,000枚程度の用紙を積み重ねると、紙と紙の間に入るわずかな空気や、裏移り防止用のパウダーなどによって、紙の高さが均一にならないことがあります。
その状態を見極めながら、紙積みの下へ楔を入れ、給紙が安定するよう高さを調整します。
数ミリの違いが給紙不良につながることもあり、経験が必要な作業です。
現在はUV印刷機の普及によってインキの乾燥時間が短くなり、以前より作業は大きく改善されています。
それでも、オフセット印刷は重い紙を扱い、大型機械を調整しながら安定した品質を維持する仕事です。
知識だけではなく、経験、判断力、そして体力も必要な仕事だと感じています。

2.オンデマンド印刷

オンデマンド印刷は、オフセット印刷とは大きく異なる仕組みで印刷します。
弊社では、A3より少し大きな菊判四裁サイズの用紙を主に使用しています。
オフセット印刷との大きな違いは、印刷版を使用しないことです。
データをRIP処理して直接印刷機へ送り、1ページ、2ページ、3ページ、4ページとページ順に印刷することができます。
例えば100ページの本を100部印刷する場合、1ページ目から100ページ目までを1冊分として印刷し、それを100回繰り返します。
一方、オフセット印刷の場合は、例えば1~8ページ分を必要部数印刷したあと、印刷版を交換し、次の9~16ページを印刷するという工程になります。
オンデマンド印刷では最初からページ順に印刷されるため、製本工程で行う丁合作業を省略できる場合があります。
少部数の冊子では、印刷だけではなく製本工程を含めて効率化できる点が大きなメリットです。

オフィス用複合機とは印刷速度が違う

オンデマンド印刷機は、構造だけを見ると大型のデジタル複合機に近い部分がありますが、印刷速度や耐久性は大きく異なります。
弊社の機械では、A4換算で1分間に約120枚を印刷できます。
実際の冊子印刷ではA3程度の大きさの用紙を使用することが多いため、常にこの速度で印刷するわけではありませんが、一般的なオフィス用複合機と比べると大幅に高速です。

メンテナンスはメーカーと連携

オンデマンド印刷機は、オフセット印刷機とはメンテナンス体制も大きく異なります。
弊社ではメーカーのサービスエンジニアによる定期的な点検を受けており、不具合が発生した場合にも対応してもらえる体制を取っています。
週に1~2回程度の定期メンテナンスが入ることもあり、オフセット印刷機のようにオペレーター自身が大型部品を取り外して整備する機会は少なくなっています。
その分、設備の保守にかかる社内作業時間を抑えられることも、オンデマンド印刷の特徴の一つです。

RIP処理で印刷データを制御する

オンデマンド印刷では、パソコン上でRIP処理を行います。
RIPとは、PDFなどのデータを印刷機が実際に出力できる画像情報へ変換する処理です。
PDF内の文字やベクターデータなどを解析し、印刷機で再現できるラスターデータへ変換します。
また、カラーとモノクロのページを切り分けたり、途中に扉紙を挿入したりする指示もRIP上で行います。
本・冊子では、単に印刷するだけではなく、「何ページ目に何を入れるか」まで正確に管理する必要があります。

熱と静電気が冊子づくりに影響する

オンデマンド印刷では、トナーを用紙へ転写し、熱によって定着させます。
そのため、オフセット印刷とは異なり、用紙に熱や静電気の影響が加わります。
弊社が最初にオンデマンド印刷機を導入したのは2009年です。
当時の機械は現在と比べると印刷速度が遅く、薄い用紙ではシワが発生しやすいという問題がありました。
また、静電気も強く、特にマットコート紙などでは用紙同士が貼り付いたようになり、ページがめくりにくくなることもありました。
現在の機械では、こうした問題は大幅に改善されています。
弊社が使用している機械には低温定着方式や冷却機構が搭載されており、印刷後の用紙を冷やすことで、熱による波打ちを抑えることができます。

冊子印刷では「波打ち」を考える必要がある

チラシやリーフレットであれば、完成品は基本的に1枚の紙です。
しかし、本・冊子では何十枚、何百枚もの紙を重ねて製本します。
そのため、1枚ではわずかな波打ちでも、何十枚も重なると大きな影響になります。
紙が大きく波打っていると、次の製本工程で給紙が不安定になったり、仕上がった本が波打ったりする原因になります。
紙の種類や銘柄によっても、熱による縮み方や波打ち方は異なります。
弊社ではオンデマンド印刷機を3台使用していますが、そのうち2台は低温定着方式です。
使用する紙や本の厚さ、製本方法、後加工まで考えたうえで、適した印刷機を選んでいます。
本・冊子づくりでは、印刷した瞬間の仕上がりだけを見るのではなく、その後の製本工程まで考えて印刷することが重要です。

製本工程

製本機から三方断裁機へ 丁合機 折り機

1.折り機

折り機は、非常に細かな調整が必要な機械です。
オフセット印刷機と同じように、安定して紙を通せるようになるまでには経験が必要です。
本にするためには、印刷された大きな紙を順番に折っていきます。
1枚の紙を最大3回折ることで、16ページ分がつながった「折丁」を作ることができます。
最初の折り位置がずれていたり、紙が斜めに折れていたりすると、2回目、3回目の折り位置もすべてずれてしまいます。
そのため、最初の折りが非常に重要です。
また、1折り目を調整すると、その影響で2折り目、3折り目も変化するため、それぞれを再調整する必要があります。
例えば折り位置を1mm変更するだけでも、紙を止めるバックストップやフレーム、羽根など複数の箇所を調整します。
ミリ単位での微調整が必要になる工程です。
さらに、折り機は高速で稼働します。
機械によっては1時間に約1万枚を処理するため、稼働中は常に紙の状態を確認し続ける必要があります。

オフセット印刷には折り工程が必要

オフセット印刷では、1~8ページ、9~16ページといったまとまりごとに必要部数を印刷します。
印刷が終わった用紙は、その後折り工程へ進みます。
折り終わった折丁を丁合機でページ順に組み合わせ、最後に表紙を付けて製本します。
一方、オンデマンド印刷ではページ順に印刷されるため、無線綴じの場合には折り工程や丁合工程を省略できる場合があります。
弊社では、このオンデマンド印刷の特性と折り加工の技術を組み合わせ、アジロ無線綴じでありながら、通常必要となる丁合工程を省略できる製造方法を構築しています。

2.丁合機

丁合とは、折り終わった折丁をページ順に並べ、1冊分にまとめる工程です。
弊社では10段2列のエアーサクション式丁合機を使用しています。
オフセット印刷の場合、A4判では8ページ、B5判やA5判では16ページ分を1枚の紙へ印刷できます。
例えば16ページ折りの折丁を10段2列すべてにセットすると、一度に最大320ページ分をページ順に組むことができます。

丁合工程で最も怖いのが「落丁」

丁合工程で最も注意しなければならないのは、1枚多く取ってしまう「二枚取り」や、反対に紙を取らない「空送り」です。
これが起こると、本の中でページが重複したり、ページが抜けたりします。
ページが抜けている状態を「落丁」といいます。
丁合機には二枚送り防止センサーや空送り検知センサーが備わっていますが、弊社では機械のセンサーだけに頼らず、各工程で枚数を管理しています。
オフセット印刷では、印刷機から出てきた用紙枚数を完全に正確に把握することが難しい場合があります。
そのため、折り機のカウンターを使い、例えば50セット単位で折丁を作ります。
丁合機のすべての段に50セットずつ積み、丁合終了時にすべての段が空になり、なおかつセンサー異常がなければ、50冊分が正しく組まれたことを確認できます。
オンデマンド印刷の場合は、丁合機を使用しないことが多く、印刷機側の正確なカウンターを基準として部数管理を行います。

3.製本バインダー機

製本バインダー機は、ページ順に組み上がった本文を表紙でくるみ、背にのりを付けて冊子にする機械です。
一般的な無線綴じでは、ホットメルトやPO系の固形のりを高温で溶かして使用します。
溶けたのりを本文の背へ塗布し、冷えて固まることで紙の繊維と接着し、ページが抜けないように固定します。
固まったあとも一定の弾力性があるため、本を開くことができます。
ただし、無線綴じは開き方や本文用紙の厚さによっては、背に大きな負荷がかかります。
特に本を強く開きすぎると、本文の背側に負荷が集中します。
本文1ページ目と表紙は横のりによって数mm程度接着されていますが、その内側の部分には負荷がかかりやすくなります。
本文用紙が厚い本や、A4判などサイズの大きな本では、その影響がさらに大きくなる場合があります。
一般的な55kg、70kg程度の本文用紙で通常使用する範囲であれば、大きな問題になることは多くありません。

弊社がアジロ無線綴じを選べる理由

弊社では、通常の無線綴じに加え、アジロ無線綴じを選択できます。
アジロ綴じとは、本文を折る際に背の部分へ細かな切れ込みを入れ、そこへのりを入り込ませることで接着強度を高める方法です。
一般的な印刷通販では、アジロ無線綴じを選択できる会社はそれほど多くありません。
また、製本会社でも、依頼者側から指定しなければ通常の無線綴じで製本するケースが多いと思います。
理由の一つは、アジロ部分へののりの入り方を安定させるために細かな調整が必要だからです。
クランプ数が多く、生産速度の速い大型製本機ほど、生産効率が重視されます。
一冊一冊の状態に合わせて細かな調整を繰り返していると、生産性が大きく低下してしまいます。
そのため、一般的にはミーリングと呼ばれる処理で本文の背を削り、凹凸を作ってからのりを付ける方法のほうが安定して製本できます。
製造側から見ると、こちらのほうが作業しやすく、生産効率も高いというのが実情です。

PURという選択肢もある

製本強度を高める方法として、PUR系の接着剤を使用する方法もあります。
PURは一般的なホットメルトと比べて接着強度が高く、本の開きも良くなるという特長があります。
一方で、接着剤そのものの単価が高く、取り扱いや設備管理にも注意が必要です。
そのため、すべての本に適しているわけではなく、用途や仕様に合わせて選択する必要があります。

見返しを生かすためのアジロ綴じ

弊社がアジロ綴じにこだわる理由の一つに、「見返し」をきれいに生かせることがあります。
見返しとは、本文と表紙の間に入る紙のことです。
書店に並んでいる単行本や記念誌などでは、見返しが付いている本を多く見かけます。
弊社では、できる限り見返しを削らず、本来の形を残したまま製本することを大切にしています。
効率だけを優先すれば、もっと簡単な方法もあります。
しかし、記念誌や自費出版など長く残したい本については、できる限り「本らしい本」に仕上げたいと考えています。

背の角にも理由がある

製本では、背のりの量だけでなく、本の背の角をどのように仕上げるかも重要です。
最終工程で三方断裁機を使用するとき、背の角が丸すぎると本を重ねた際にわずかな隙間ができます。
その状態で断裁すると、表紙の角がわずかにめくれたり、切り口が荒れたりすることがあります。
そのため、背の角をある程度しっかり出し、本同士が密着するように仕上げる必要があります。
ただし、単純に角張らせればよいわけではありません。
背のりが少なすぎると本は開きやすくなりますが、背に十分なのりの層が形成されず、強く開いたときに背割れやページ脱落の原因になることがあります。
反対に、のりを多く入れれば強度は高くなりますが、本が開きにくくなります。
そのため、弊社では、

  • ・本のページ数
  • ・本文用紙の厚さ
  • ・表紙の厚さ
  • ・本のサイズ
  • ・背文字や背にかかる絵柄の有無
  • ・本の使用目的

などを考慮して、できるだけバランスの良い仕上がりになるよう調整しています。
記念誌や自費出版など、長期間保管される本については、多少開きが固くなっても、背割れしにくく、長年きれいな状態を保てることを重視します。
一方、塾の教材や試験用テキストなど、机の上で大きく開いて使用する本では、開きやすさを優先して背のり量を調整します。
同じ無線綴じであっても、本の用途によって最適な製本方法は異なります。

背文字の位置にも注意が必要

背文字が入る本では、製本時のわずかなズレも目立ちます。
印刷機は精密機械ですが、紙そのものにはわずかな寸法差があります。
また、製本機は紙を物理的に搬送し、クランプで保持しながら表紙を巻き付ける機械です。
そのため、すべての本の背文字を0.1mm単位で完全に同じ位置へ合わせることは現実的ではありません。
特にクランプ数の多い高速製本機では、機械内部に複数冊が同時に保持されます。
完成した本が機械から出てきた時点でズレを確認して調整しても、機械内部に残っている数冊は同じ状態で仕上がってしまいます。
弊社の機械は4クランプ式ですが、それでも調整前に機械内部へ入っていた数冊には影響が出る可能性があります。
そのため、背文字のある本では、完成した本を継続的に確認し、大きなズレが出る前に調整するよう注意しています。

見返し付き製本の補足

見返しを生かすアジロ綴じ製本

アジロ綴じについては製本バインダー機の項でも触れましたが、ミーリングを使わずに製本する場合、のりの入り方を安定させるための調整が必要になります。
大量生産を目的とする一般的な製本所では、安定性と生産効率を高めるためにミーリングを使用することが多くあります。
ミーリングによって本文背側を削ることで、のりが入りやすくなり、製本強度を安定させることができます。
一方で、見返し部分まで削る構造になる場合があります。
大規模な書籍製本工場では、アジロ綴じでも安定して大量生産できる大型設備を使用していますが、小ロットを中心とした製本では簡単ではありません。
弊社では、生産効率が多少落ちても、できる限り見返しを生かした状態で製本することを大切にしています。

オンデマンド印刷と見返し製本の難しさ

現在の本づくりで難しい課題の一つが、オンデマンド印刷した本文に見返しを付ける製本です。
オンデマンド印刷では、トナーを定着させるために用紙へ熱を加えます。
機種によって定着温度は異なりますが、紙は熱の影響によって水分を失い、縮みや波打ちが発生することがあります。
その後、時間が経つと紙は周囲の湿気を吸収し、徐々に元の状態へ戻ろうとします。
一方、見返し用紙は印刷機を通していないため、同じ熱履歴を受けていません。
つまり、熱を受けた本文と、熱を受けていない見返しでは、時間の経過による伸縮の仕方が異なります。
その状態で両者をのり付けすると、本文だけが伸びたり縮んだりした際に、見返し側へシワが発生することがあります。
本来であれば、印刷した本文を一定期間寝かせ、紙の状態が安定してから製本するのが理想です。
しかし、実際の印刷通販では納期があります。
「紙が落ち着くまで1週間待ってください」とお客様へお願いすることは現実的ではありません。
そこで弊社では、低温定着方式のオンデマンド印刷機を使用し、できる限り紙への熱ダメージと伸縮を抑えています。
さらに、折り工程を組み合わせることで紙の波打ちの波長を緩和させ、アジロ折りによって見返しを生かした製本を行っています。
また、オンデマンド印刷ではページ順に出力される特長を利用し、ページ順を保ったまま折り加工を行うことで、丁合工程を省略する製造方法も採用しています。
通常であれば、「オンデマンド印刷」「折り加工」「アジロ製本」「見返し製本」を組み合わせると工程が増え、コストも上がります。
弊社では、長年培ってきた折り加工の技術と製造工程の工夫によって、これらを組み合わせながら効率化しています。
500部程度までのオンデマンド冊子で、品質と効率を両立させるために構築した弊社独自の製造工程です。

4.化粧断裁

本文と表紙をのりで綴じたあとは、最後に化粧断裁を行って本を仕上げます。
製本直後の本は、最終的な仕上がりサイズより少し大きな状態になっています。
例えばA4判の仕上がりサイズは210×297mmですが、断裁前は約219×311mm程度の大きさがあります。
B5判やA5判も同様に、仕上がりサイズより大きな状態で製本します。
断裁前の本は、折った紙や重ねた紙によって端が揃っておらず、でこぼこした状態です。
そこで、綴じている背以外の三方、つまり「天」「地」「小口」を断裁し、きれいに揃えます。
これを三方断裁、または化粧断裁と呼びます。
特に重要なのが小口です。
小口とは、本を開く側、つまり背と反対側の部分です。
断裁せずに紙の端が不揃いなままだと、ページ同士が引っ掛かり、きれいにめくることができません。
小口をきれいに断裁することで、ページが一枚ずつスムーズにめくれる本になります。

フチなし印刷ができるのも断裁工程があるから

本や冊子で、写真や背景色が紙の端まで入ったデザインを見かけることがあります。
これは、用紙の端まで直接ぴったり印刷しているわけではありません。
仕上がりサイズより大きな紙へ、断裁位置より外側まで絵柄を伸ばして印刷します。
その後、余分な部分を断裁することで、紙の端まで絵柄が続いているように仕上がります。
この仕上がりを「フチなし」や「塗り足しあり」と呼びます。
断裁工程があるからこそ、紙の端まできれいに絵柄を出すことができます。

三方断裁機と平断裁機を使い分ける

弊社では、三方断裁機と平断裁機の両方を使用しています。
一般的な無線綴じ冊子は三方断裁機で仕上げます。
三方断裁機では、天・地・小口の三方向を効率よく断裁できます。
一方、ページ数の多い厚い書籍や、見返し付きの本などでは、平断裁機を使用することがあります。
本の厚さや製本状態、用紙、見返しの有無などによって、最適な断裁方法は異なります。
化粧断裁は本づくりの最終工程です。
ここで失敗すると、それまでの印刷や製本がすべて無駄になってしまいます。
そのため、完成した本の状態を見極めながら、一冊一冊の仕様に合わせて最適な方法で仕上げています。
印刷、折り、丁合、製本、断裁。
それぞれは別々の工程ですが、本づくりではすべてがつながっています。
印刷するときには製本を考え、製本するときには最後の断裁まで考える。
その積み重ねが、長く手元に残る一冊の品質につながると考えています。